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Osmo 360 IIと初代を同時に録画して分かったこと|サーマルカメラで測った25分の熱停止

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Osmo 360 IIと初代を同時に録画して分かったこと|サーマルカメラで測った25分の熱停止

2026年9月2日、DJIの新しい360度カメラ「Osmo 360 II」が日本でも発売されました。当店は前モデルにあたる「Osmo 360」を保有しており、この2台を同じ場所に並べて同時に録画し、発熱の仕方を比較する検証を行いました。

結果は、性能が上がったはずのOsmo 360 IIのほうが、初代より早く熱による停止に至るというものでした。本記事では、測定したすべての数値を公開したうえで、なぜこうなったのか、そして実際に使うときにどう対処すればよいのかを整理します。

結論|Osmo 360 IIは25分、初代は29分で熱停止した

  • 2026年9月24日、屋内・無風・室温26.5℃の環境で、2台同時に録画を開始しました。
  • Osmo 360 IIは録画開始から25分後(12時48分、58.4℃)に停止しました。
  • 初代Osmo 360は29分後(12時52分、57.1℃)に停止しました。差は約4分です。
  • 計測開始から停止まで、Osmo 360 IIは終始初代より1〜2.7℃高い温度で推移しました。温度の上がる速さは初代の約0.97℃/分に対しIIは約1.18℃/分で、約2割速くなっています。
  • 重要なのは、両機が停止した温度はほぼ同じ(57〜58℃台)という点です。Osmo 360 IIが「低い温度で止まった」のではなく、同じ限界温度に早く到達したという結果でした。
  • 停止した時点のバッテリー残量は、初代が42%、Osmo 360 IIが57%でした。どちらも残量が半分前後残った状態での停止であり、バッテリー切れではなく熱による停止であることが確認できました。
  • なお、この検証は2台の設定をそろえた比較ではありません(初代は8K/50fps・ビットレート「高」、IIは8K/60fps・ビットレート「標準」)。どちらの機体がより重い負荷だったかを厳密に判断することはできず、「放熱設計そのものの優劣」を示すものでもありません。

検証方法

測定は当店が行ったもので、メーカーの公表値ではありません。

  • 測定日:2026年9月24日
  • 場所:屋内・無風
  • 室温:26.5℃
  • 録画設定(初代 Osmo 360):8K/50fps/ビットレート「高」/画面〔自動オフ〕
  • 録画設定(Osmo 360 II):8K/60fps/ビットレート「標準」/画面〔自動オフ〕/スポットライトフォロー〔オフ〕
  • ファームウェア:初代〔01.03.08.70〕/II〔01.01.02.10〕
  • 検証時間:12時18分〜12時52分(録画開始は12時23分)
  • 温度の測定方法:DJI Matrice 4Tの赤外線(サーマル)カメラを使用。開始から15分後までは2〜3分間隔、以降は5分間隔で、各機の停止直前まで撮影し、その時点の最高温度を記録。
  • 記録した項目:各時点の最高温度、停止までの時間、停止時のバッテリー残量

録画する5分前(12時18分)の時点で、2台はいずれも電源OFFの状態で28.9℃でした。室温26.5℃よりやや高い状態で、2台の条件が同じであることを確認しています。温度は、光沢のある画面ではなく、つや消しの筐体表面の最高温度で比較しました。

※無風の室内は、実際の使用環境より熱がこもりやすい条件です。走行中や屋外では風が当たるため、結果は変わります。

検証結果

  • 録画設定:初代 8K/50fps・ビットレート「高」/Osmo 360 II 8K/60fps・ビットレート「標準」
  • 停止までの時間:初代 29分(12時52分)/Osmo 360 II 25分(12時48分)
  • 停止時の温度:初代 57.1℃/Osmo 360 II 58.4℃
  • 停止の種類:どちらも高温による停止
  • 停止時のバッテリー残量:初代 42%/Osmo 360 II 57%(初期値は両方とも100%)
  • 録画前の温度(12:18・電源OFF):初代 28.9℃/Osmo 360 II 28.9℃
  • 温度上昇の速さ(平均):初代 約0.97℃/分/Osmo 360 II 約1.18℃/分(約2割速い)

温度の推移(実測値)

(以下、Osmo 360 IIを「II」と略記します)

  • 12:18(録画前・電源OFF) 初代 28.9℃ / II 28.9℃
  • 12:23(録画開始)
  • 12:26(3分) 初代 35.6℃ / II 36.5℃(差 +0.9℃)
  • 12:28(5分) 初代 39.7℃ / II 41.3℃(差 +1.6℃)
  • 12:31(8分) 初代 43.0℃ / II 45.1℃(差 +2.1℃)
  • 12:33(10分) 初代 45.0℃ / II 47.5℃(差 +2.5℃)
  • 12:35(12分) 初代 47.5℃ / II 50.1℃(差 +2.6℃)
  • 12:38(15分) 初代 50.0℃ / II 52.7℃(差 +2.7℃)
  • 12:43(20分) 初代 53.1℃ / II 55.1℃(差 +2.0℃)
  • 12:48(25分) 初代 55.8℃ / II 58.4℃(ここでIIが高温により停止)
  • 12:52(29分) 初代 57.1℃(ここで初代が高温により停止)

グラフを見ると、2本の線はほぼ平行に伸びています。Osmo 360 IIは終始1〜2.7℃高い位置を推移し、そのまま先に限界へ到達したという関係です。急に温度が跳ね上がったわけではなく、最初から一貫して温度が高い状態が続いていました。

 12:26 3分時点 左初代 35.6℃ /右 II 36.5℃

 12:28 10分時点 左初代39.7℃/右Ⅱ41.3℃


 12:38 15分時点 左初代 50.0℃ /右 II 52.7℃

 12:48 25分時点 左初代 55.8℃ / 右II 58.4℃(IIが停止)

 12:52 29分時点 左初代 57.1℃(初代が停止)

なぜOsmo 360 IIのほうが早く止まったのか

筐体の大きさと重さは、初代とほぼ同じ

Osmo 360 IIの外寸と重量は、初代から据え置かれています。

  • サイズ:初代 61 × 81 × 36.3mm / II 61 × 81 × 36.3mm
  • 重量:初代 183g / II 183g
  • センサー:どちらも1インチ相当の正方形CMOS

つまり、熱を外へ逃がせる表面積は初代と変わりません。ここが今回の結果を理解するうえでの前提になります。

一方で、本体がこなす仕事は増えている

  • 360°動画:初代 8K/50fps / II 8K/60fps(ネイティブ)
  • 最大ビットレート:初代 170Mbps / II 220Mbps
  • ダイナミックレンジ:初代 13.5ストップ / II 14.5ストップ
  • 追加される処理:初代 ― / II AIスーパーナイト2.0、スポットライトフォロー(被写体追従)など
  • バッテリー容量:初代 1,950mAh / II 2,150mAh

フレームレートは8K/50fpsから8K/60fpsへ上がり、1秒あたりのコマ数が約2割増えています。ダイナミックレンジを広げるための画像処理や、本体側で動くAI処理も加わりました。スペック上の最大ビットレートも170Mbpsから220Mbpsへ増えています。

ただし、本検証ではOsmo 360 IIをビットレート「標準」で録画しており、実際の記録レートは最大値ではありません。そのため、どちらの機体がより重い負荷だったかを厳密に判断することはできません。

確実に言えるのは、放熱できる面積は初代とほぼ同じである一方、フレームレートや画像処理など、本体がこなす仕事は増えているという点です。実際に計測でも、同じ場所・同じ室温から始めた2台の温度に、開始直後から一貫して差がつきました。これが、Osmo 360 IIのほうが早く熱の限界へ達した理由だと考えられます。

停止した温度はほぼ同じだった

今回の結果で特に注目したいのがここです。停止時の温度は、初代が57.1℃、Osmo 360 IIが58.4℃で、わずか1.3℃の差でした。

これは、両機が熱を理由に停止する温度の基準がほぼ同じで、そこに到達する速さだけが違うと解釈できます。「Osmo 360 IIの熱対策が甘い」というより、「温度の上がり方が速い」という表現のほうが実態に合っています。。

この検証の前提|2台の設定は揃っていません

誤解を避けるため、はっきりと書いておきます。

  • 今回の検証は、初代は8K/50fps・ビットレート「高」、Osmo 360 IIは8K/60fps・ビットレート「標準」で行いました。解像度・フレームレート・ビットレートのいずれも条件が異なります。
  • したがって、「放熱設計そのものの優劣」や「同一条件での強さの比較」を判断できる検証ではありません。
  • 測定回数は1回です。1回の測定であるため、結果には環境によるばらつきが含まれる可能性があります。
  • 無風の屋内という条件は、熱がこもりやすい側に振れた環境です。屋外や走行中は結果が変わります。
  • 停止時のバッテリー残量は、初代が42%、Osmo 360 IIが57%でした。どちらも残量が半分前後残った状態で停止しており、バッテリー切れではなく熱による停止であることを裏付けています。
  • ビットレートが異なるため、記録された映像の画質比較を本記事の素材で行うことはできません。
  • 結果は、ファームウェアの版、バッテリーの使用年数、周囲の風、室温によって変わります。

つまり、8K/60fpsは「長時間まわし続けるための機能」ではなく、短い決定的な瞬間を高画質で残すための機能と考えるのが実態に近いと言えます。

熱停止を前提に使うための実践策

発熱そのものは避けられませんが、止まりにくくする方法はあります。DJIのサポートも、解像度とフレームレートを下げることで消費電力を抑え、熱の蓄積を軽減できると案内しています。

  • 解像度・フレームレートを下げる:8K/60fpsにこだわらない場面では6K/30fpsなどに落とす。長時間の記録ではこれが最も効きます。公称値は8K/30fpsで最大100分です。
  • ビットレートを「標準」にする:書き込むデータ量が減り、発熱の抑制につながります。今回の検証でもOsmo 360 IIは「標準」でしたが25分で停止したため、長時間撮影では解像度を下げる対応も併用してください。
  • 風通しを確保する:止めた状態で撮り続けるより、自撮り棒で持ち歩く・走行中に撮るほうが冷えます。今回の無風の屋内は最も条件が厳しい側です。
  • 長回しは分割する:連続で回さず、数分ごとに録画を止めて本体を休ませます。
  • 温度が上がる前に休ませる:今回のデータでは、20分を超えると50℃を超え、停止まで残り数分の状態でした。こまめな休憩が有効です。
  • 予備バッテリーを用意する:再開までの待ち時間を有効に使えます。
  • 熱停止に備えて設定を見直す:重要な場面の前に本体の温度を確認し、必要なら解像度を落として本番に臨みます。

それでもOsmo 360 IIを選ぶ理由

  • ネイティブ8K/60fps:補間処理に頼らない8K撮影。フレームレートが高いため、動きの速い被写体でも滑らかに残せます。
  • ダイナミックレンジ14.5ストップ:初代の13.5ストップから広がり、逆光や明暗差の大きい場面で粘ります。撮影後の色調整にも耐えます。
  • ユーザー交換式レンズ:初代では修理に出すしかなかったレンズの傷を、自分で交換できます。360度カメラは片方のレンズの傷が映像全体に影響するため、維持費の差は大きい部分です。
  • 写真のRAW記録に対応:1.2億画素の全天球写真をRAWで残せるようになり、現像の自由度が上がりました。
  • NFCによるワンタッチ接続、OsmoAudio対応:受信機なしでDJI Micの送信機を直接接続でき、現場の準備が減ります。

初代ユーザーは買い替えるべきか

  • 30分以上の連続撮影(ライド、車載、長時間のイベント記録)→ 初代を使い続ける、または解像度を下げて運用。理由:当店の検証では初代が29分、IIが25分で停止しました。高負荷の連続録画では初代が約4分粘りますが、差はわずかです。連続撮影が中心なら解像度を下げる運用が現実的です。
  • 短いカットを高画質で撮る(スポーツの一瞬、旅先のカット)→ Osmo 360 II。理由:8K/60fps、14.5ストップ、RAW写真の恩恵をそのまま受けられます。
  • 夜間・逆光の撮影が多い → Osmo 360 II。理由:AIスーパーナイト2.0と広いダイナミックレンジが効きます。
  • レンズの傷を気にせず使いたい → Osmo 360 II。理由:レンズを自分で交換できます。
  • とにかく安く360度を始めたい → 初代(在庫があれば)。理由:初代の発売時価格は67,100円、IIのスタンダードコンボは93,610円で、差額は26,510円です。

価格差の26,510円で手に入るのは、8K/60fps、ダイナミックレンジの拡大、レンズ交換、RAW記録などです。熱停止までの差は約4分である点も踏まえ、このうち自分にとって価値があるものがいくつあるかで判断すると、失敗が少なくなります。

よくある質問

Osmo 360 IIは何分で熱停止しますか?

当店の検証では、8K/60fps・ビットレート標準・屋内無風・室温26.5℃の条件で25分でした。室温24.8℃で24〜30分という他社の報告とも近い結果です。解像度を下げれば公称の100分に近づきますが、短時間の撮影や解像度を下げた運用では問題になりにくいです。

同じ設定で2台を比べた場合もOsmo 360 IIのほうが早く止まりますか?

当店では今回は確認できていません。今回の検証は解像度・フレームレート・ビットレートが2台で異なるため、同一条件での比較は別途検証が必要です。結果が分かり次第、本記事に追記します。

熱停止しにくくする設定はありますか?

解像度・フレームレートを下げる、ビットレートを「標準」にする、風通しのよい状態で使う、連続録画を短く区切る、といった方法があります。DJIのサポートも解像度とフレームレートを下げることを案内しています。

熱停止ではなくバッテリー切れではないのですか?

いいえ、熱による停止です。停止した時点のバッテリー残量は、初代が42%、Osmo 360 IIが57%でした。どちらも残量が半分前後残った状態で停止しており、公称の最大撮影時間(8K/30fpsで100分、耐久モードで120分)に対しても、29分以内という短時間での停止は残量切れでは説明できません。

初代のバッテリーやアクセサリーはOsmo 360 IIで使えますか?

バッテリーとクイックリリース系のアクセサリーはOsmo Actionシリーズと共通で、Osmo 360 IIでも流用できます。購入前に、お使いのアクセサリーが対応しているかご確認ください。

まとめ

Osmo 360 IIは、画質・レンズ交換・ワークフローの面で初代から確実に進化しています。一方で、ほぼ同じ筐体に性能を高めた結果、温度の上がり方が速くなり、高負荷の連続録画では初代より早く熱の限界に達するという性格も持ちます。当店の実測では、同じ室温から始めた2台の温度に最初から差がつき、IIが25分、初代が29分で停止しました。

ただし、両機が停止した温度は57〜58℃台でほぼ同じで、停止時のバッテリー残量も初代42%・Osmo 360 II 57%と十分に残っていました。IIの熱対策が劣っているというより、同じ限界に早く到達するという性質です。

「長く回し続けるカメラ」ではなく「短い決定的な瞬間を高画質で残すカメラ」として使う。この前提を持っておけば、8K/60fpsは非常に強力な武器になります。長時間の撮影が中心の方は、解像度を落とすか、初代の併用を検討してください。

当店では、Osmo 360 II本体と関連アクセサリーを取り扱っています。用途に合わせた設定のご相談や、初代からの買い替えのご相談も承りますので、お気軽にお問い合わせください。

※本記事の測定値は当店が独自に実施した検証によるもので、メーカーの公表値ではありません。測定日・場所・室温・設定・回数は本文に記載のとおりです。2台のビットレート設定が異なる点も、本文に明記しています。ファームウェアの更新や使用環境により、結果は変わる可能性があります。

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