北海道におけるエゾシカ被害額は農林業だけで年間50億円規模に達し、
近年はヒグマの市街地出没・人身事故も相次いでいます。
一方で、広大な農地と山林を人の目で見回り続けるには、
担い手不足と安全面の課題が大きく立ちはだかります。
弊社では、DJI DOCK 3と最新サーマルドローン Matrice 4TD を用いた
「獣害定期巡回の代行業務」を提供しています。
本コラムでは、この仕組みがなぜ北海道の獣害対策に有効なのか、
現場運用の実際とあわせてご紹介します。

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第1章:なぜ北海道で「無人定期巡回」なのか
北海道の獣害対策で難しいのは、以下の3点です。
・広大なエリアを継続的に監視する必要がある
・エゾシカ・ヒグマともに夜明け前後の活動が活発で、有人調査が危険
・冬季の積雪・強風・低温で、従来のドローン運用が難しい
これらは「人が現地に赴く前提」の従来手法では、
コスト・安全・稼働率のいずれの面でも限界がありました。
DOCK 3 × Matrice 4TDによる無人定期巡回は、
現地にドローンを常設し、遠隔から自動で飛ばす仕組みです。
早朝・夜間の危険な時間帯でも、悪天候下でも、
人を出さずに継続的な観測が可能になります。
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第2章:Matrice 4TDが獣害調査に強い理由
Matrice 4TD(M4TD)は、DJI Enterpriseの最新産業機で、
サーマル・広角・望遠の3眼カメラを搭載しています。
■ 獣害調査で効くポイント
・サーマルカメラ 640×512:エゾシカ・ヒグマの体温を明確に検出
・望遠カメラ連動:熱源発見と同時に高倍率で獣種判定が可能
・IP55(防塵防水):小雨・霧・雪でも運用継続
・動作温度 -20℃〜50℃:北海道の冬季にも対応
体温38〜39℃の大型哺乳類は、真冬の氷点下環境では
気温との温度差が50℃以上となり、サーマル画面上で「塊」として
極めて鮮明に浮かび上がります。
つまり、北海道の冬こそサーマル調査に最適な季節と言えます。

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第3章:DJI DOCK 3が可能にする「置きっぱなし運用」
DOCK 3は、Matrice 4シリーズ対応の自動離発着ステーションです。
最大の価値は、ドローンを現地に常設して遠隔から自動運用できることにあります。
■ 主な特徴
・IP55、-25℃〜50℃で通年稼働
・自動離陸・着陸・充電(フル充電 約32分)
・4G通信対応で山間部にも設置可能
・遠隔からのスケジュール飛行・手動介入に対応
現地にDOCKさえ設置してしまえば、
「毎朝5時と夕方4時に、決まったルートで自動巡回」
「AIが熱源を検出したら自動でアラート通知」
といった運用が現実になります。
弊社ではこれまで、農地に隣接する建物の屋根上や、
山際の平坦地にDOCK 3を設置してきました。
屋根上設置は、防犯性・見通し・積雪対策の観点で
特に北海道の現場に適しています。

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第4章:Flycart 100を用いたDOCK 3の設置運搬
DOCK 3の設置で最大の難関になるのが「運搬」です。
本体重量は55kg超で、山林・農地の設置予定地まで
人力や車両で運び込むのが難しいケースが少なくありません。
弊社ではこの課題に対して、DJIのカーゴドローン Flycart 100 を活用し、
DOCK 3本体を空輸して設置予定地に降ろす方式を採用しています。
■ Flycart 100によるDOCK運搬のメリット
・道路のない山間部・農地の中心部にも設置可能
・重機・クレーン車の手配が不要
・設置作業の大幅な時短
・急峻な地形でも安全に運び込める
この空輸設置は、北海道のように広大かつ道路整備が限定的な地域で
特に大きな効果を発揮します。

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第5章:エゾシカ・ヒグマの検出における実際
サーマル映像での見え方は、獣種によって特徴が異なります。
■ エゾシカ
・体温 約38℃、成獣で体長1.5m前後
・群れで行動するため、複数の白い熱源が近接して見える
・林縁部や牧草地に集中する傾向
・夜明け前後が最も活動的で、この時間帯の巡回が有効

※上記はイメージ画像です。
■ ヒグマ
・体温 約37℃、大型で熱量が大きく検出しやすい
・単独行動が基本で、移動範囲が広い
・春(穴出し後)と秋(越冬前)の出没が多い
・集落・農地への接近を早期に検知することで、人身事故の予防につながる

※上記はイメージ画像です。
弊社では、これらの獣種の行動特性を踏まえて、
巡回時間帯・飛行高度・ルート設計を現場ごとに最適化しています。
一般的に、対地高度50〜80m、飛行速度5〜8m/sが検出精度と
面カバーのバランスが取れるレンジです。
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第6章:時間帯によるサーマルパレットの使い分け
サーマル映像は、時間帯と用途によって表示パレットを切り替えることで、
獣種判定と地形把握の両立が可能になります。
■ 夜間(ブラックホット)
背景が黒、熱源が白〜黄色で表示されます。
気温との温度差が大きい早朝・夜間に威力を発揮し、
エゾシカ・ヒグマの体温が鮮明に浮かび上がります。
(第5章の図⑤・図⑥がこのパレットの例)
■ 昼間(ホワイトホット反転)
背景が白、熱源が赤で表示されます。
日射で温められた道路や屋根も赤く見えるため、
「動物が道路や集落にどれだけ接近しているか」を
把握するのに非常に有効です。
昼間は気温上昇で温度差が縮まるものの、
パレットの選択と観測時間帯の工夫で十分に検出可能です。

※上記はイメージ画像です。

※上記はイメージ画像です。
このように、同じサーマル映像でも
「何を見たいか」に応じてパレットを使い分けることで、
獣害調査の精度は大きく変わります。
弊社では現場ごとに最適な時間帯・パレット・飛行パラメータを設計し、
効果的な観測を実施しています。
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第7章:定期巡回代行サービスの流れ
弊社の獣害調査 定期巡回代行サービスは、以下の流れで提供しています。
■ ①現地ヒアリング・下見
被害状況・目撃情報・地形・電源/通信環境を確認し、
DOCK 3の最適な設置場所を選定します。
■ ②設置工事(Flycart 100による空輸設置も対応可)
基礎・電源・通信の整備、DOCK 3設置、初期フライトテスト。
■ ③航空法・関連法申請
夜間飛行・目視外飛行・第三者上空飛行の許可申請を弊社で代行。
DIPS 2.0での事前申請から地権者調整まで一括対応します。
■ ④定期巡回運用
遠隔から自動巡回を実施。夜明け前・日没後を中心に、
サーマル映像を自動記録・AIによる熱源検出も可能。
■ ⑤レポーティング
熱源検出位置・時刻・獣種推定・移動ルートをGIS上にまとめ、
月次レポートとしてご報告。捕獲檻・くくり罠の配置最適化にも活用できます。
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第8章:導入をご検討の皆さまへ
無人定期巡回は、以下のようなお客様に特にご好評をいただいています。
・広域の農地・牧草地を抱える農業法人
・エゾシカによる林業被害に悩む森林組合
・ヒグマ出没対応に人手が回らない自治体
・観光地・キャンプ場・ゴルフ場など、来訪者の安全確保が課題の施設
「まずは1シーズン、試験運用で効果を見てみたい」といったご相談も歓迎です。
弊社は北海道内での実運用ノウハウを蓄積しており、
設置候補地の選定から法令申請、日々の運用、データ解析まで
ワンストップでサポートいたします。
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まとめ
エゾシカ・ヒグマ対策は、北海道全体の農林業と地域安全にかかわる
待ったなしの課題です。
DJI DOCK 3 × Matrice 4TDによる無人定期巡回は、
・サーマルによる夜間・悪天候下の確実な検出
・DOCK 3の常設・自動化による省人運用
・Flycart 100を活用した柔軟な設置
という3つの強みで、北海道の獣害調査を根本から変える可能性を秘めています。
「うちの地域でも導入できるのか?」「まずは相談だけしたい」
そうしたお問い合わせも、無料でお受けしております。
獣害に悩む自治体・農業法人・林業事業体の皆さま、
ぜひお気軽にご相談ください。