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ドローンの点検完全ガイド|日常・定期点検の方法と法律・業者選びまで徹底解説

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ドローンの点検完全ガイド|日常・定期点検の方法と法律・業者選びまで徹底解説

目次

ドローン点検の基本|なぜ必要なのか?

ドローンは高度な電子制御システムと機械部品の集合体であり、非常に繊細な機械です。わずかな不具合が深刻な墜落事故や損害につながる恐れがあるため、日常的・定期的に点検を行うことは安全飛行に直結します。また、航空法などの法規制により、機体の適切な維持管理が操縦者の責任として義務付けられています。ドローンを安全に、そして長く使い続けるためには、点検の知識と習慣が不可欠です。

ドローン点検の重要性と安全飛行の関係

ドローンの点検は、事故防止と安全確保のための最優先事項です。たとえばプロペラのわずかな欠けや、バッテリーの不具合なども、飛行中にトラブルを引き起こし墜落のリスクを高めます。実際に、過去の事故の多くは「点検不足」による初歩的なトラブルが原因とされており、飛行前のチェックは非常に重要です。安全な飛行を維持するためには、メーカーが推奨するメンテナンス項目に加え、操縦者自身が点検意識を持つことが大切です。

点検を怠った場合のリスクと事故事例

ドローンの点検を怠ると、最悪の場合は墜落や暴走などの深刻な事故につながります。特に近年では、人口密集地やインフラ施設の上空を飛行するケースが増えており、たった一度の整備不足が大きな被害を引き起こす恐れがあります。

実際に報告されている事故事例としては、

  • プロペラの取り付け不良により飛行中に脱落し墜落
  • バッテリーの劣化に気付かず、飛行中に電源断→制御不能
  • モーターの不具合を見逃して推力低下し墜落
  • ファームウェア更新後の動作確認を怠り、誤作動で暴走
  • GPSのキャリブレーション不足で位置をロストし衝突

といったケースが多く発生しています。

こうした事故は操縦者の安全意識に加え、点検の知識不足・実施漏れが複合的に重なって起きています。さらに、事故後には操縦者が賠償責任を負うだけでなく、許可取り消しや罰則といった行政処分の対象となる可能性もあり、社会的信用を一気に失う深刻な結果につながります。

防止策としては

  • メーカーの点検マニュアルに沿ったチェック
  • 点検履歴の記録保管
  • 定期的な講習や訓練の受講
  • 部品の交換サイクルを管理

などを組み合わせ、自分のドローンを「飛ばして良い状態」に維持している根拠を示せる仕組みを整えておくことが非常に重要です。

ドローンの日常点検の流れとチェック項目

ドローンの安全運用において、フライト前後の日常点検は最も基本的で重要なプロセスです。飛行前に問題を把握し、飛行後に異常がないか確認することで、トラブルを未然に防ぎます。ここでは日常点検の流れと具体的なチェック項目について詳しく説明します。

フライト前に行うべき点検項目

フライト前の点検は、ドローン運用において最も大切なステップです。飛行中のトラブルを未然に防ぐために、離陸前の確認項目を必ず習慣化しましょう。

具体的には以下の項目をしっかり確認してください。

  • プロペラの状態:欠け・ひび割れ・変形がないか。軽度の傷でも振動が発生し、他部品に影響します。
  • プロペラの取り付け具合:しっかり固定されているか。緩みは墜落の直接原因になります。
  • モーターの異音・異常な抵抗:回転させてスムーズに回るか、違和感がないか。
  • フレームやアームのゆがみ:落下歴がある場合は特に要注意。歪むと飛行姿勢が不安定になります。
  • バッテリー残量・状態:膨張や異常発熱がないか。端子のサビや汚れも清掃しておくこと。
  • 機体のGPS受信状況:十分な衛星数を受信できているか。環境によっては受信が弱い場所もあるため慎重に。
  • 送信機・モバイルデバイスの電源・充電残量:飛行中に切れると制御不能になるため確認必須。
  • 障害物検知センサーの作動チェック:近接飛行や自動制御に依存する場合は特に重要。
  • 飛行計画と空域確認:飛行場所が航空法・小型無人機等飛行禁止法などの規制対象外か確認。
  • 周囲の安全確認:人や車両が急に入ってこないか。安全離着陸エリアを確保できるか。

加えて、飛行許可が必要な場合は許可証の携帯・条件確認も忘れないようにしましょう。

フライト前点検を怠ると、思わぬトラブルでドローンや周囲に大きな被害を与えかねません。
「もう慣れているから大丈夫」と油断せず、チェックリストに沿って一つ一つ確実に確認する習慣をつけてください。

フライト後に行うべき点検ポイント

フライト後の点検は、次回以降の飛行に向けてトラブルを未然に防ぐための大事な習慣です。飛行直後の機体は振動や負荷を受けた状態なので、異常の早期発見につながります。

確認しておくべき主なポイントは以下のとおりです。

  • プロペラのゆるみやダメージ:飛行中の衝撃や振動で緩んでいないか、再度チェックします。飛行後に小さな欠けを発見することも多いので要注意です。
  • フレーム・アームの変形・亀裂:硬い着陸や障害物との接触でダメージを受けていないか確認。小さなヒビも放置すると深刻化します。
  • バッテリーの発熱・膨張:飛行後は必ず触って温度や形状を確認し、熱が残っている場合はしっかり冷却してから充電しましょう。
  • モーターの異音・摩耗粉:回転部にゴミや砂が入り込んでいないか。異音が出る場合はすぐに点検・整備が必要です。
  • カメラジンバルの作動確認:正しく動くか、衝撃で軸がズレていないかを確認しましょう。
  • センサー類の汚れや誤作動:ホコリや水滴の付着により障害物検知などが誤作動する場合があります。必ず清掃しましょう。
  • 飛行ログの確認:飛行距離・高度・エラー履歴を見て、トラブルの兆候がないかを振り返るのも有効です。

さらに、フライト後はバッテリーの充電前に電圧バランスや内部抵抗を測定し、寿命が近づいているものは予備に回すなど管理ルールを決めておくと安心です。

「飛ばして終わり」ではなく、飛行後の点検→保守→記録を毎回セットで行うことで、ドローンの安全性と寿命が大きく変わります。

点検を効率化する便利ツール

点検作業を省力化・効率化するには、専用ツールの活用がおすすめです。

  • チェックリストアプリ:スマホで記録できるアプリは便利
  • ドローン診断ツール:機体ログを自動で読み取り診断するツール
  • 専用ケースやメンテナンスキット:保管と点検をまとめて管理可能

こうしたツールを組み合わせると、点検忘れの防止や記録管理の手間を大幅に減らせます。

定期点検と法令に基づく管理方法

ドローンは日常点検だけでなく、定期的に詳細な点検や整備を行うことが法令上も求められています。特に業務利用や長期間の運用を想定している場合は、機体の劣化や電子部品の故障を予防するために定期点検が不可欠です。ここでは法律のポイントや具体的な管理方法を解説します。

航空法に基づくドローン点検義務

航空法では、無人航空機(ドローン)の所有者・操縦者には「安全確保義務」が課せられています。これは機体を常に正常な状態に維持管理しなければならないという意味で、事実上の点検義務です。特に、機体登録制度の対象となる100g以上のドローンは、安全飛行のために定期点検記録を残すことが推奨されます。事故発生時に点検履歴を提出できるかどうかは、法的トラブルを避ける上でも大きなポイントです。

リモートIDに関連する点検の注意点

2022年から義務化された「リモートID」搭載ドローンは、リモートID装置そのものの機能確認も点検対象になります。

  • 正しく発信できているか
  • 通信障害がないか
  • 設定が初期化されていないか
    といった項目を定期的にチェックしましょう。特にファームウェア更新の後などはリモートIDの動作確認を必ず行うべきです。

機体登録に必要な点検記録の作成

ドローンの登録制度では、万一の事故や故障の際に「きちんと管理していた」ことを証明するために点検記録の保管が非常に大切です。

  • 飛行時間
  • 点検した部位
  • 交換した部品
    などを簡易的でもいいので定期的に書き残しましょう。これにより事故調査のときに説明責任を果たせるほか、将来的な機体の売却や保険加入の際にも有利になります。

産業用ドローン・業務用ドローンの点検方法

産業用や業務用のドローンは、インフラ点検や測量、農薬散布など長時間・高負荷の運用が多く、ホビー向けのドローン以上に厳格な点検が求められます。安全だけでなく作業品質や効率にも直結するため、プロとしての管理体制が不可欠です。ここでは産業用ドローンの保守点検について詳しく説明します。

インフラ・建物点検で使うドローンの保守管理

橋梁、トンネル、高層ビルなどのインフラや建物を点検するドローンは、非常に近接した飛行を行うため、衝突や接触のリスクが高いことが特徴です。墜落や接触による大事故を防ぐため、ホビー用途以上に徹底した保守管理が求められます。

点検前には、以下の項目を重点的にチェックしましょう。

  • 障害物検知センサーの動作確認:狭い場所での飛行に必須
  • ビジョンポジショニングシステム(VPS)のキャリブレーション
  • カメラのズーム機能・フォーカスの精度:微細なひび割れや腐食を検出するため
  • ジンバルの可動域と安定性:傾いたり揺れたりしないか
  • 飛行ルートの障害物情報の再確認

また、近接飛行に備えて、プロペラガードやフェンダーの装着も強く推奨されます。プロペラガードがないと軽微な接触でも大破する恐れがあります。

さらに、インフラ点検の場合は撮影データの品質が非常に重要です。カメラレンズの汚れや傷、ジンバルのブレがあると正確な診断ができなくなるため、レンズ清掃やジンバルキャリブレーションを念入りに行いましょう。

そして、運用チーム全体で「どの項目を誰が点検するか」を役割分担し、点検漏れを防ぐチェックリストの共有も不可欠です。こうしたチーム体制の構築により、ヒューマンエラーによる見落としを最小限に抑えることができます。

産業用ドローンの飛行前安全確認手順

産業用ドローンは、ホビー用と比べて機体サイズや出力が大きく、飛行中のリスクも高くなります。さらに点検や撮影対象の現場は、構造物が密集していたり、作業員が近くにいたりといったケースが多いため、飛行前の安全確認を徹底する必要があります。

産業用ドローンの飛行前確認で特に重要なのは次のポイントです。

  • GPSおよびIMU(慣性計測装置)のキャリブレーション
    → 機体姿勢が正しく保たれているか、方位データが正常かを確認し、ズレがある場合は再キャリブレーションを実施します。
  • 飛行ルートの確認と安全退避ルートの設定
    → 途中でトラブルが発生した場合に備え、緊急着陸できる場所をあらかじめ確保しておくことが大切です。
  • 無線電波環境の確認
    → 5Gや無線LANなどの干渉源が多い現場では、RCリンクの通信強度を測定しておく必要があります。
  • 飛行計画の共有
    → チーム全員で飛行ルート・高度・撮影条件を事前に共有し、役割(操縦者・監視者・補助者など)を明確にします。
  • 送信機・タブレットの電源確認
    → 飛行途中で制御機器の電源が切れると回収不能になる恐れがあるため、充電残量だけでなくバッテリーの劣化状態も点検します。
  • ペイロード(搭載機材)の固定状態
    → カメラや測量用センサーがしっかり取り付けられているか。緩みがあると空中で脱落する恐れがあります。
  • 飛行許可の条件確認
    → 特に目視外飛行や夜間飛行など許可条件が細かく指定されている場合は、条件の履行状況を必ず確認します。

また、産業用ドローンは現場に合わせて毎回条件が変わることが多いため、現地ごとに再確認を行う習慣を持つことが非常に重要です。
「前回は問題なかったから大丈夫」という油断が事故の引き金になりますので、必ずその日の環境に合わせて安全確認を繰り返しましょう。

故障を防ぐ定期メンテナンスのポイント

産業用・業務用ドローンは高負荷・長時間の運用が多く、わずかなパーツの劣化が全体の安全性に大きく影響します。そのため、定期的に分解・清掃・交換を行う予防整備が非常に重要です。
具体的には次のようなメンテナンスを計画的に行いましょう。
モーターの分解点検・清掃
→ 砂や金属粉などがモーター内部に入り込むと回転不良や焼き付きの原因になります。年1回以上は分解清掃を検討しましょう。
ESC(電子スピードコントローラー)の温度チェック
→ ESCは高温になりやすく、内部のはんだクラックや配線トラブルが起きやすいパーツです。動作後に熱を持ちすぎていないか確認が必要です。
プロペラの動バランス・静バランスの確認
→ 微細なバランス崩れでも振動が増幅し、軸受けやジンバルに負担をかけます。定期的に専用バランサーで計測しましょう。
ケーブルの断線・被膜破れの確認
→ ドローンの振動や風圧で知らないうちにケーブルに負荷がかかり、接触不良を起こす場合があります。特に可動部付近は重点チェックを。
バッテリーの内部抵抗・セル電圧管理
→ 充電はできていてもセルのバランスが崩れていると発火・電源断の原因になります。専用チェッカーで定期測定を行いましょう。
ファームウェアの最新化
→ 飛行性能や安全制御にかかわるアップデートを定期的に適用し、古いバージョンのまま使わないようにします。
さらに、整備記録の保存を習慣づけることで、点検漏れの防止やチーム内共有にも役立ちます。
整備履歴
交換部品の種類と交換時期
点検時の不具合内容
をまとめて記録することで、トラブルの傾向や交換サイクルを把握でき、予防保守の精度を高めることができます。
最後に、年に一度はメーカー認定の整備工場でオーバーホールを受けることで、見えない部分の不具合も含めて確実にチェックが行えます。
「自社点検」と「メーカー点検」の両輪で保守体制を築くのが最善策です。産業用・業務用ドローンは飛行頻度や稼働時間が多く、部品の劣化も早いため、定期メンテナンスが欠かせません。とくに業務に使うドローンでは、故障による業務遅延=信頼低下・損失拡大に直結するため、予防的な整備を心掛けましょう。

以下のようなポイントを意識して、計画的に実施してください。

  • モーターの分解清掃・軸受けのグリスアップ
    → 摩耗粉や砂塵の付着で回転効率が低下し、負荷がかかると故障しやすくなります。
  • プロペラのバランスチェック(静バランス・動バランス)
    → わずかなバランス崩れがジンバルブレや機体の振動を引き起こし、他のパーツにも悪影響を及ぼします。
  • ESC(電子スピードコントローラー)の異常発熱確認
    → モーターに電力を供給するESCは故障が多い部位です。高温になりすぎないかを点検しましょう。
  • ケーブル・コネクタの接触不良確認
    → 振動により抜けかけや接触不良が起きやすい箇所です。
  • 通信系統(RCリンク・映像伝送)の健全性チェック
    → ファームウェア更新後は特に入念に確認し、通信障害のないことを確かめます。
  • バッテリーの内部抵抗・セルバランス確認
    → 劣化バッテリーを放置すると電源断が発生しやすく、墜落に直結します。

さらに、メーカーや正規代理店が提供する定期点検パッケージを利用するのも一つの手です。これにより、保守記録の証明を含めた「信頼性」を社内外にアピールでき、受注業務や許可申請の際にも有利になります。

最後に、定期メンテナンスは一度きりではなく
「日常点検→定期点検→分解整備」
というサイクルを繰り返し、チームで共有・記録する体制づくりを意識しましょう。

ドローン点検を依頼したい人向けのガイド

「自分で点検するのは不安」「専門家に見てもらいたい」という人に向けて、ドローン点検を代行してくれる専門業者を活用するのも有効です。特に高額な産業用ドローンや法令対応が必要な場合は、プロの目で診断してもらう安心感があります。ここでは、業者選びのポイントや費用感について解説します。

点検代行業者の選び方と比較ポイント

ドローンの点検代行を依頼する際は、単に価格だけで選ぶのではなく、複数の視点で比較することが重要です。特に産業用途で使う高額なドローンの場合は、適切な業者に依頼しなければ安全性や信頼性を大きく損なう恐れがあります。

業者を選ぶ際に注目したいポイントは以下の通りです。

  • 整備資格の有無
    → 国土交通省登録の無人航空機整備士や、メーカー公認整備士が在籍しているか確認しましょう。資格者のいる業者は技術レベルや法令順守意識が高い傾向にあります。
  • 点検実績・取り扱い経験
    → 同じ産業用でも、農業用や測量用など機体の種類によってノウハウが異なります。依頼するドローンと同モデルの点検経験があるか確認しましょう。
  • 提供するレポート内容
    → 整備後にどのような検査結果報告書が出るか。点検項目・異常有無・整備内容をきちんと記載してくれる業者を選ぶと、保険申請や許可更新の際にも役立ちます。
  • 対応スピードと代替機の用意
    → 点検期間中に代替機を貸し出してもらえるか、また急な修理対応が可能かもチェックしてください。業務が止まる期間を最小限に抑えるためには非常に重要です。
  • 料金体系の明確さ
    → 見積もりの段階で追加費用が発生しそうな項目まで明記してくれる業者が安心です。特に部品交換や出張対応の費用などは要確認です。
  • アフターサポートの充実度
    → 点検後のフォロー(再点検、保証期間など)が手厚いか。故障時にすぐ相談できる窓口があると心強いです。

さらに、実際に相談してみた際の
✅ 担当者の説明の分かりやすさ
✅ 点検や修理のスケジュール提示の具体性
✅ 法令に基づいたアドバイスができるか
などの対応力も大事な比較ポイントになります。

特に産業利用の場では、点検証明書やレポートの提出を求められるケースが増えているため、書類発行に対応できるかどうかも必ず確認しましょう。

点検業者は「機体の健康診断を任せるパートナー」です。
値段の安さだけで決めず、長期的に付き合える安心感を重視して選ぶことが大切です。

点検依頼にかかる料金の相場

ドローンの点検を専門業者に依頼する場合、費用は機体の大きさや種類、点検の範囲によって大きく変わります。一般的には以下のような目安があります。

  • ホビー用ドローン(小型機):5,000円〜15,000円程度
    → 主に基本的な動作確認やプロペラ交換、簡易清掃が含まれるケースが多いです。
  • 産業用ドローン(中型〜大型機):30,000円〜100,000円程度
    → モーター分解点検やESC診断、機体診断レポートの発行など、より詳細な点検が含まれます。
  • フルオーバーホール(分解整備含む):10万円以上
    → プロペラ・モーター・ジンバル・フレームの分解点検、部品の一部交換を含むプランもあります。

また、

  • ファームウェア更新代行
  • リモートIDの設定確認
  • 飛行申請に必要な書類作成
    などを含むサービスパッケージにすると、追加で数千円〜数万円がかかることもあります。

さらに修理や部品交換を伴う場合は、

  • プロペラ1枚あたり数百円〜
  • バッテリー1本あたり数千円〜
  • ジンバルユニット交換数万円〜
    といった追加料金が発生するため、見積もり段階で「どこまでが点検料金に含まれるのか」「修理発生時の追加費用はどのくらいか」を必ず確認しておきましょう。

業者によっては、

  • 出張対応の交通費
  • 代替機の貸し出し費用
    なども別料金になる場合があるので注意が必要です。

産業用途でドローンを継続的に利用する場合には、年間保守契約として月額数千円〜数万円のパックを提供している整備業者もあり、長期的にはコストを抑えられるケースもあります。

「安さ」だけでなく、
✅ 点検後のレポート内容
✅ 修理保証の有無
✅ 資格保有者の在籍
✅ 対応スピード
なども総合的に比較して、後悔のない依頼先を選ぶことが大切です。

資格保有の整備技術者に依頼するメリット

ドローン点検をプロに依頼する際は、無人航空機整備士や各種メーカー認定の資格を持つ技術者に依頼することで、多くのメリットがあります。

まず、資格保有者は法令や技術基準を熟知しており、最新の航空法改正やリモートID義務化などの動向にも敏感です。これにより、自分では気付きにくい潜在的なリスクを先回りして防止できます。さらに、資格者は点検マニュアルに沿った客観的かつ体系的な整備ができるため、点検品質にムラがなく、第三者へ説明責任を果たす場面でも信頼性が高いです。

また、資格整備士が発行する**点検証明書(整備報告書)**は、保険会社や自治体への許可申請、あるいは事故発生時の説明資料としても強い根拠になります。産業用ドローンを業務で使用している場合、点検証明の有無が受注の条件になるケースもあるため、資格者に依頼することは事業者としての信用維持に直結します。

さらに、資格者はメーカー公認のトレーニングを受けている場合も多く、正規パーツの交換や最新のファームウェア適用なども含めたトータルサポートが可能です。万が一、修理や部品交換が必要になったときもワンストップで相談できるのは大きな安心材料と言えるでしょう。

トラブル事例から学ぶドローンの点検対策

ドローンの事故やトラブルは、整備・点検不足に起因するものが少なくありません。ここでは、実際に起きたトラブル事例から学べる点検のポイントを紹介します。被害や損失を防ぐために、どのような対策を講じるべきかを理解しておきましょう。

墜落や通信トラブルの原因と防止策

ドローンの墜落や制御不能は、機体自体の問題だけでなく通信環境操縦者の判断ミスが重なって発生するケースが非常に多いです。

具体的な原因としては、

  • プロペラの小さなヒビや緩み
  • GPSの受信状態が不安定なままの離陸
  • コントローラーの電波干渉
  • バッテリー残量の誤認識
  • ファームウェアの不一致
    などが挙げられます。

これらは一見軽微に見えても、飛行中の突発的な強風や障害物回避行動で一気に大事故に発展します。実際、都市部ではビルからの反射や高圧線などによる電波干渉が多く報告されており、通信断絶後に帰還モードの誤作動で墜落する事例も珍しくありません。

防止策としては

  • プロペラは必ず予備を携行し、軽微なヒビでも交換
  • GPSの受信数が十分になるまで飛行を開始しない
  • アンテナの方向をこまめに確認
  • フェイルセーフ(自動帰還)の高度・ルート設定を事前にシミュレーション
  • コントローラーのバッテリー状態も含めて点検

などを徹底しましょう。

さらに、通信トラブルを防ぐには2.4GHz帯と5.8GHz帯の周波数切り替えや、都市部でのLTE・5G干渉を想定した訓練を行うことも非常に重要です。障害物や鉄塔の多い場所ではマニュアルモードでの操縦技術を磨いておくと、GPSを失った場合でも安全に着陸させられるスキルが身につきます。

ドローン運用では「万一通信が切れたらどうするか」を常にイメージし、トラブルを想定した訓練を積むことで、機体の性能に頼りきらない安全対策が実現します。

バッテリー不具合を防ぐチェック方法

バッテリーはドローンの最も重要な電源系統であり、不具合が起きると即座に墜落につながります。

  • 異常膨張
  • 過充電・過放電
  • 端子のサビや緩み
    などを飛行前後に必ず確認し、異常があればすぐに交換してください。バッテリーは消耗品なので、メーカー推奨の交換サイクルも守りましょう。

ユーザー自身でできる簡易メンテナンス

日々の点検としてユーザー自身でできるメンテナンスは以下の通りです。

  • プロペラの締め付け確認
  • カメラレンズの清掃
  • 機体全体のホコリ除去
  • ファームウェアのアップデート

これだけでも事故防止効果は大きく、プロに依頼する点検と合わせて行うことでより安全性が高まります。

よくある質問

ドローンの点検に関して、よく寄せられる質問をまとめました。初心者の方から業務利用者まで参考になる内容です。

ドローンの点検は義務ですか?

はい。航空法では、ドローン(無人航空機)の所有者・操縦者に「安全確保義務」が課されており、実質的に点検が義務と言えます。特に100g以上の機体は登録制度の対象となるため、きちんとした点検管理が必要です。

ドローンの国家資格は2025年に廃止される?

2025年時点で国家資格制度が廃止されるという公式情報はありません。二等・一等無人航空機操縦士などの資格制度は引き続き有効です。ただし法改正がある可能性はあるため、最新情報は国土交通省の発表を随時確認しましょう。

ドローンの点検費用はいくらですか?

ホビー用ドローンなら5,000〜15,000円程度、産業用ドローンでは30,000円〜10万円ほどが目安です。部品交換や修理を伴う場合はさらに費用がかかるため、事前に見積もりを確認しましょう。

ドローンの点検頻度はどのくらいですか?

基本的には「飛行前後の点検を毎回行い」、加えて「3〜6か月ごとに定期点検」を行うことが推奨されます。産業用や長時間稼働する機体は、さらに頻繁な点検が必要です。

バッテリーの寿命はどのくらいで交換が必要ですか?

一般的には充放電サイクル100〜200回程度で性能が大きく低下すると言われています。膨張や発熱などの異常があれば回数に関わらず早めに交換してください。安全のためにバッテリー管理は最優先事項です。

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