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ドローン操縦士とは?資格・年収・なり方・仕事内容まで徹底解説【2025年最新版】

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ドローン操縦士とは?資格・年収・なり方・仕事内容まで徹底解説【2025年最新版】

目次

ドローン操縦士とは?仕事内容と活躍する業界

ドローン操縦士とは、無人航空機(ドローン)を操縦してさまざまな業務を担う専門職です。空撮や測量、農業、インフラ点検、防災支援など活用分野は急拡大しており、今や建設業や映像制作だけでなく、自治体・公共機関でもその需要が高まっています。国の制度整備により「操縦士」という正式な職種として認知が進み、資格制度も整備されました。今後の社会インフラを支える重要な職業として注目されています。

空撮・点検・測量などの主な活躍フィールド

ドローン操縦士の活躍フィールドは多岐にわたります。代表的な分野は以下のとおりです:

  • 空撮・映像制作:映画やテレビ、YouTubeなどの映像作品での撮影。
  • インフラ点検:橋梁、鉄塔、トンネル、太陽光パネルなどの高所・危険箇所の点検。
  • 測量・地図作成:国土地理院や建設現場における三次元測量やGISデータ取得。
  • 農業:農薬散布、作物の生育状況のモニタリング(スマート農業)。
  • 災害・防災:火災現場や土砂災害時の被災状況確認、捜索支援。

いずれの分野でも、従来の作業に比べて「安全・効率・低コスト」が実現できるため、ドローンの導入と操縦士の確保が急務となっています。

ドローン操縦士の一日の流れと業務内容

ドローン操縦士の業務は、飛行そのものに加えて、安全確認やデータ処理など多岐にわたります。以下は典型的な1日の流れの例です(点検業務の場合):

  1. 準備・現地入り:飛行予定エリアの事前確認、機材点検、バッテリー準備。
  2. 飛行前ブリーフィング:気象・周囲環境・飛行ルート確認、関係者と安全確認。
  3. ドローン飛行:マニュアル操縦または自動航行で撮影・測定。
  4. データ確認・記録:撮影した画像・動画や測量データの初期チェック。
  5. 撤収・後処理:機体点検、飛行記録の整理、データ納品や報告書作成。

現場によっては日帰りだけでなく、数日間のプロジェクトに携わるケースもあります。高い技術だけでなく、段取り力や安全管理能力も重要です。

民間企業と自治体での需要の違い

ドローン操縦士の需要は、民間企業自治体・公共団体で内容が異なります。

  • 民間企業の場合:建設会社、測量会社、テレビ制作会社、農業法人などが中心。プロジェクトベースでの撮影や調査、定期点検業務が主な業務。
  • 自治体・官公庁の場合:災害対応、防災訓練、河川・山林の監視、インフラの公的点検など公共性の高い業務が多い。

近年では「災害時に即応できる体制構築」が重視され、自治体職員や地域消防団の中にドローン操縦士を配置する動きも加速しています。ドローンは単なる道具ではなく、地域の安全と未来を支える戦力として位置づけられているのです。

ドローン操縦士になるには?必要な資格とステップ

ドローン操縦士になるためには、単に機体を飛ばせるだけではなく、法令を遵守した運用能力と、安全に配慮した操縦スキルが求められます。2022年から始まった**国家資格制度(無人航空機操縦者技能証明)**により、法的にも「資格を持った操縦士」が明確に定義されるようになりました。ここでは、資格の種類や取得方法、必要なステップをわかりやすく解説します。

国家資格「二等無人航空機操縦士」とは

国家資格である「二等無人航空機操縦士」は、国土交通省が定めた制度で、第三者上空や目視外飛行などリスクの高い飛行を行う際に必要となるライセンスです。2022年12月から正式に運用が開始され、以下のような特徴があります。

  • 国が認定した登録講習機関(通称:登録ドローンスクール)での修了が必要
  • 試験は「実地試験(技能)」と「学科試験」があり、一定の知識と技術が求められる
  • 二等免許があると、個別の飛行許可申請が不要になる飛行が多く、仕事の幅が広がる
  • レベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)を行うには、より上位の「一等免許」が必要

ドローン操縦を「仕事」にしたい人にとって、国家資格は非常に有利であり、今後の標準ともいえる存在です。

民間資格や認定講習の活用方法

国家資格以外にも、長年にわたり運用されてきた民間資格制度があります。たとえば以下のような団体が発行する資格があります:

  • JUIDA(日本UAS産業振興協議会)操縦技能証明
  • DPA(ドローン操縦士協会)認定資格
  • DJI CAMPインストラクター認定

これらの民間資格は、基本的な操縦技術と安全知識の証明として企業や現場で広く活用されており、就職や案件受注の際にも有利になることがあります。また、一部の民間講習は国家資格の講習受講にも役立つ内容を含んでおり、ステップアップにも活用できます。

ドローンの免許制度と登録制度の違い

混同されがちですが、免許制度機体登録制度はまったく別の制度です。

項目内容
ドローン免許(国家資格)操縦士の資格。飛行の種類によって一等・二等に分かれる
ドローン登録制度機体ごとに行う義務登録。100g以上のドローンはすべて対象
リモートID登録された機体に取り付ける識別装置(または内蔵)で飛行時に機体情報を発信

つまり、仕事としてドローンを飛ばすには「操縦士の資格」と「機体の登録」の両方が求められます。どちらかが欠けていても、法律上は飛行が制限されることがありますので注意が必要です。

スクール vs 独学|どちらが効率的?

結論から言うと、就職や業務でドローンを使いたい場合はスクール受講がおすすめです。

  • スクールでは実地訓練を通じて安全な操縦を体系的に学べる
  • 法律や機体構造、気象、リスク管理などの知識も効率的に習得できる
  • 登録講習機関での修了がそのまま国家資格試験の一部免除につながる
  • 就職やフリーランス活動の際に「資格保有者」としてアピールできる

一方、趣味レベルや簡単な空撮が目的なら、独学でも可能ですが、法律に関する誤解や事故リスクが大きいため注意が必要です。将来的にビジネスに活かしたい人ほど、スクールを活用した体系的なステップが推奨されます。

年収・収入の目安は?ドローン操縦士の給料事情

ドローン操縦士の収入は、雇用形態・業種・スキルレベル・保有資格・業務内容などによって大きく異なります。空撮のような映像制作から、建設現場での測量やインフラ点検、農業支援など、ニーズが広がる中で報酬の相場も多様化しています。ここでは、雇用形態別の年収の目安、副業やフリーランスでの収益性、業種による単価の違いについて詳しく見ていきます。

正社員・契約社員・フリーランスの年収比較

ドローン操縦士として働く場合、以下のような雇用形態によって年収水準が変わります。

雇用形態年収の目安特徴
正社員(建設・測量会社など)約300〜500万円安定収入・保険・福利厚生あり。業務は点検・測量が中心。
契約社員・業務委託約250〜400万円プロジェクト単位での稼働が多い。経験が問われやすい。
フリーランス・個人事業主実力次第(100万〜1000万円超)自由度が高いが営業力や資格・機材が必要。収入は不安定。

特にフリーランスの場合は、案件数やクライアントとの信頼関係によって大きく収入が上下するため、営業・交渉力や自己投資が重要です。

案件単価の相場と副業での収益モデル

副業としてドローン操縦をする人も増えており、案件単価は以下のような目安となります。

業務内容単価の相場備考
空撮(1〜2時間)3〜8万円編集込みだと10万円を超えることも
建設現場の測量5〜15万円/日精密な3Dマッピングが求められる
ソーラーパネル点検5〜10万円/日赤外線カメラが必要なケースも
農薬散布1haあたり1〜2万円自動飛行・薬剤の知識が必要

副業では、土日や空き時間を活かしてスポット的な案件をこなすスタイルが一般的です。週1〜2件の受注でも月5〜10万円の副収入が得られることも珍しくありません。

業種別の収入差:測量、農業、建設業界の場合

ドローン操縦士の年収は業種によっても差があります。以下に代表的な業界の特徴と収入傾向をまとめます。

  • 測量・建設業界:地形測量や進捗管理などで需要が高く、国家資格や精密飛行スキルが評価されやすい。比較的高収入で安定性あり。
  • 農業分野(スマート農業):ドローンでの播種や散布作業が進む一方、シーズン業務のため年間稼働は限定的。農機系スキルや天候知識も重要。
  • 映像・メディア業界:撮影の自由度が高くクリエイティブな業務だが、単価の幅が広く実績が収入に直結する。ブランディングと営業がカギ。
  • インフラ点検業界:高所・危険箇所での点検が多く、安定収入が見込める。安全管理スキルが重視される。

ドローン操縦士の収入は「資格×経験×営業力」で大きく変わります。収入の天井が決まっている職業ではないため、自らスキルを磨き、分野を選ぶことでキャリアの幅と収入を広げられます。

操縦スキルを身につける方法とおすすめの練習法

ドローン操縦士として信頼を得るには、正確で安全な操縦スキルが不可欠です。とくに業務用ドローンでは「安定飛行」「ルート制御」「障害物回避」など高度な操作が求められ、練習や教育の質が仕事の品質を大きく左右します。ここでは初心者が操縦スキルを習得するための具体的な方法と、練習に役立つツールや環境について解説します。

初心者向けにおすすめの練習用ドローン

最初の練習には、軽量・小型で衝突のリスクが少なく、操作が簡単なドローンがおすすめです。以下のようなモデルが人気です:

  • DJI Miniシリーズ(Mini 2 SE, Mini 4 Proなど)
     200g未満で航空法の一部規制対象外。GPS付きで安定性があり、カメラ性能も高水準。
  • Holy Stone HSシリーズ
     低価格ながら基本的な操作感を掴める。プロペラガード付きで安全性も高い。
  • Tiny Whoop系のFPVドローン
     屋内練習に適しており、手動操作の精度を鍛えるには最適。

まずは狭い場所で上昇・下降・旋回・ホバリングといった基本操作を反復練習し、機体の反応を身体で覚えることが重要です。

操縦技術を磨くためのシミュレーターと練習メニュー

飛行練習には、ドローン専用シミュレーターを活用するのも効果的です。以下のようなソフトが操縦精度の向上に役立ちます:

  • DJI Flight Simulator(DJI公式)
     実際のDJI製品に近い挙動で、風や天候のシミュレーションも可能。業務用ドローンの訓練にも最適。
  • DRL Simulator(Drone Racing League)
     高速操作やレース向けのスキルが鍛えられ、空間認識能力が向上する。

練習メニューとしては、以下のステップでスキルを段階的に高めると効果的です。

  1. GPSモードでの基本操作(ホバリング、8の字飛行)
  2. 障害物を避けるコース飛行
  3. ATTIモード(姿勢制御のみ)での手動操作
  4. 目視外飛行や自動飛行のシミュレーション訓練
  5. 実務想定のタスク(例:点検ルート飛行、撮影ワーク)

繰り返しのトレーニングによって操作精度が向上し、業務現場でも即戦力として信頼される操縦士へと近づきます。

スクール選びのチェックポイント

操縦スキルを効率よく身につけたい場合は、認定ドローンスクールの利用が非常に効果的です。以下のポイントを押さえてスクールを選びましょう:

チェック項目解説
登録講習機関かどうか国家資格対応の「登録講習機関」なら試験の一部免除が可能
実技時間の長さ飛行経験を多く積めるカリキュラムが重要
法律・安全教育の有無飛行許可や航空法の知識が学べるか確認
修了後のサポート体制就職支援・機体購入割引・継続講習などがあるか
卒業生の評価SNSや口コミサイトで評判をチェック

また、用途(測量用、農業用、映像用など)に特化したスクールも存在するため、自分の目的に合ったコースを選ぶことが成長の近道です。

ドローン操縦士に必要な法的知識とルール

ドローン操縦士として業務を行うには、機体を安全かつ合法に飛行させるための法律知識が欠かせません。日本では航空法をはじめとした複数の法令がドローンの運用を規制しており、違反すれば業務停止や罰則、損害賠償のリスクも伴います。このセクションでは、操縦士として知っておくべき主要な法律とルールをわかりやすく解説します。

航空法・小型無人機等飛行禁止法とは

ドローンの飛行に関する最も重要な法律が航空法です。具体的には、以下のような飛行ルールが定められています。

航空法で規制される主な飛行条件(100g以上の機体)

  • 高度150m以上の飛行は禁止(要許可)
  • 空港周辺や人口集中地区(DID)では飛行制限あり
  • 夜間飛行・目視外飛行・イベント上空飛行などは原則許可が必要
  • 第三者の上空や危険物の輸送は禁止

これらに加えて、小型無人機等飛行禁止法では、防衛省施設や原発、国会議事堂、首相官邸などの重要施設の周辺では、許可なくドローンを飛ばすこと自体が禁止されています。

ドローンを業務で使う操縦士は、必ずこれらのルールを熟知し、違法飛行を防ぐ義務があります。

リモートID義務化のポイント

2022年6月以降、日本国内では100g以上のドローンについてリモートIDの搭載が義務化されました。

リモートIDとは?

  • ドローンが飛行中に、機体の識別情報(機体登録番号など)を電波で発信する機能
  • 第三者(警察や関係機関)がその電波を読み取ることで、所有者や飛行状況を把握可能
  • 機体に内蔵されているか、外付け装置として装着する必要がある

義務化により、「登録されていない機体」や「リモートID未搭載の機体」は原則として飛行禁止となります。操縦士は、使用する機体が制度に準拠しているかどうかを常に確認しなければなりません。

許可・承認が必要な飛行ケース

以下のような飛行を行う場合は、国土交通省に対する「許可・承認」が必要です。許可・承認は原則飛行の10日前までに申請する必要があり、無許可での飛行は厳しい処分の対象になります。

許可が必要なケース(航空法第132条)

  • 人口集中地区(DID)での飛行
  • 夜間の飛行
  • 目視外での飛行
  • 第三者の上空を飛行する
  • 危険物の輸送
  • 物件の投下

これらを業務で日常的に行う操縦士は、年間包括申請や**資格による承認簡略化(例:国家資格保有)**を活用することで手続きの手間を軽減できます。

また、自治体や施設管理者への事前連絡・同意も求められることがあり、現場ごとに異なるルールが存在する点にも注意が必要です。

仕事の探し方と就職・転職の現実

ドローン操縦士は、専門性の高い職業である一方、まだ新興の職種であるため、就職・転職の情報は断片的で不透明な部分もあります。正社員として企業に就職する道もあれば、業務委託やフリーランスで案件ベースに働く形もあり、自身のライフスタイルやスキルレベルに応じたキャリア設計が求められます。このセクションでは、ドローン業界での仕事の見つけ方、求人の実態、未経験者の入り口などを詳しく解説します。

未経験からドローン業界に入るには?

未経験者でも、ドローン操縦士としてのキャリアを始めることは十分可能です。特に以下のステップを踏めば、スムーズに業界入りしやすくなります。

  1. ドローン操縦の基礎スキルを習得(練習+スクール受講)
  2. 民間資格や国家資格(二等免許)を取得
  3. ポートフォリオや操縦実績を整備(空撮動画・点検例など)
  4. 未経験歓迎の企業に応募 or 案件マッチングサイトを利用

特に建設業や測量業界では、**ドローン+他の業務スキル(CAD、写真測量など)**を持つ人材が求められており、「操縦+α」のスキルを意識しておくと就職で有利になります。

求人サイトと専門エージェントの活用方法

一般の求人サイトでも「ドローン操縦士」「ドローン運用担当」といった職種が掲載されており、以下のような媒体が有効です。

  • Indeed、リクナビNEXT、マイナビ転職:全国の求人情報を一括検索可能。職種名や地域で絞り込み。
  • Drone Job(ドローンジョブ):ドローン特化の求人マッチングサービス。
  • AirworX(エアワークス):空撮・点検・測量分野に強い専門エージェント。
  • クラウドワークス・ランサーズ:副業・単発案件としてのスタートにも活用可能。

企業によっては、「ドローン操縦士」とは書かれておらず「現場技術者」「点検スタッフ」と記載されていることも多いため、業務内容やキーワードで丁寧に探すことがポイントです。

資格よりも重視される実務経験とは?

資格を取得しただけでは、すぐに高単価案件を獲得するのは難しいのが現実です。業界では以下のような**「実務経験」や「業務実績」**が評価されやすくなっています。

  • 実際の飛行回数・飛行時間(ログ)
  • 点検や測量の納品実績(報告書・成果物)
  • 撮影動画・編集物などのポートフォリオ
  • 安全運航の知識・トラブル対応経験
  • チームでの運航管理経験やマネジメント力

つまり「使える資格」よりも「現場での信頼感」が重視される傾向にあり、最初はアシスタントや補助操縦者としての参加でもいいので、現場経験を積み重ねていくことが将来的なキャリアアップに直結します。

ドローン操縦士として独立・副業を始めるには

ドローン市場の成長に伴い、「会社に属さずに自分で稼ぐ」「本業のスキマ時間に副収入を得る」といった働き方を選ぶ人が増えています。特にフリーランスや副業としてドローン操縦士を始める場合は、営業スキルや法令遵守の知識、適切な機材選びなど、ビジネス的な視点も重要になります。このセクションでは、独立・副業を目指す方に必要な準備とポイントを解説します。

副業で始める際のポイントと注意点

ドローン操縦士は、土日祝日や本業後の時間を使って副業としてスタートしやすい職業です。副業として始める際の注意点は以下の通りです。

  • 飛行業務は事前準備が命:飛行許可、バッテリー管理、現地下見など、短時間でも準備には時間がかかる
  • スケジュール調整が難しい案件も多い:雨天中止や顧客都合のリスケが発生しやすい
  • 本業との兼ね合いを考慮する:労働契約や就業規則で副業が禁止されていないか要確認
  • 事故・賠償リスクへの備え:個人賠償責任保険や機体保険には必ず加入しておく

初期は空撮やイベント記録、ソーラーパネル点検など、スポット型の単発業務を選ぶと始めやすいです。

案件の獲得方法:マッチングサイトと営業戦略

フリーランスや副業操縦士が案件を得るには、自分で営業するか、マッチングサービスを活用する方法があります。

マッチングサービス例:

  • Drone Job(ドローンジョブ)
  • AirworX(エアワークス)
  • クラウドワークス、ココナラ:空撮・編集・点検などカテゴリあり
  • ジモティー:地元の企業・個人とのつながりを作れる

また、地元の建設会社や不動産業者、太陽光業者に自作チラシやポートフォリオを送るアナログ営業も効果的です。SNS(特にInstagramやYouTube)で作品を発信し、ブランディングや集客に活用している操縦士も増えています。

開業時に必要な設備とコスト目安

個人でドローン業を始める場合、最低限必要な設備と費用の目安は以下の通りです。

項目内容目安費用
ドローン本体業務用:DJI Mavic 3 Pro など30〜40万円前後
予備バッテリー長時間飛行に備えて複数必要1個2〜3万円 ×2〜3個
保険加入機体損害・対人賠償・対物補償など年1〜2万円程度
法人化なしの個人開業開業届・青色申告0円〜数千円程度(税務署提出)
編集ソフト(空撮向け)Adobe Premiere Pro 等月額3,000円前後

撮影編集まで含めるならパソコン・ソフト・ストレージ環境も必要です。最初は無理に高額機材を揃える必要はなく、案件に応じて機材を拡張していく方が安全です。

法人化のメリットとタイミング

一定の売上が見込めるようになったら、個人事業主から法人化することで信用面・節税面でのメリットが生まれます。

法人化の主なメリット:

  • 企業からの案件受注で信用力が上がる
  • 事業経費の範囲が広がる
  • 税率の最適化(所得が高い場合に有利)
  • 補助金・助成金の対象になることがある

ただし、法人化には設立費用や税務処理の手間がかかるため、年商500万〜1,000万円を目安に検討するのが一般的です。個人で安定的に案件が獲得できるようになった段階で、顧問税理士や行政書士に相談するのがおすすめです。

分野別に見る業務用ドローンと必要スキル

ドローン操縦士として活躍するには、分野ごとのニーズに応じた専門スキルと運用知識が求められます。ドローンの業務利用は「空撮」にとどまらず、建設・測量・農業・点検・物流など多岐にわたり、それぞれに必要な操縦技術や知識、機材の特性が異なります。このセクションでは代表的な分野別に、業務内容と求められるスキルを解説します。

測量・土木分野で使われるドローンの特徴

測量や土木工事におけるドローン活用は、空中写真測量や**3Dマッピング(SfM)**が中心です。

業務内容の例:

  • 土地の起伏・構造物の測量
  • 施工前後の比較(出来形管理)
  • オルソ画像・点群データの取得

必要なスキル・機材:

  • 高精度GPS(RTK対応)ドローンの操作
  • フォトグラメトリソフト(Pix4D、Metashapeなど)の知識
  • 地形図・CADとの連携スキル

精度重視のため、安定飛行技術とデータ処理の両方が重要です。

農業用ドローンの散布・モニタリング事例

農業分野では、ドローンによる農薬や肥料の散布作物の生育状況のモニタリングなどが広がっています。

業務内容の例:

  • 水稲・麦・野菜への薬剤自動散布
  • 赤外線カメラによる病害虫検出
  • NDVI解析による圃場管理

必要なスキル・機材:

  • 自動航行設定と飛行経路の最適化
  • 液剤の積載管理と散布量の調整
  • 農業分野の基礎知識と作物特性の理解

散布業務には**農薬散布専用の産業用ドローン(DJI Agrasなど)**が必要で、誤操作による事故を防ぐため、安全確認が非常に重視されます。

インフラ点検で求められるスキルと安全対策

橋梁・送電線・トンネル・ダムといったインフラの点検にも、ドローンは急速に導入されています。

業務内容の例:

  • 橋梁のひび割れや劣化の撮影
  • 送電線や風力発電の異常確認
  • 高所・狭所での構造物点検

必要なスキル・機材:

  • 高度なマニュアル操縦(GPS非依存)
  • 赤外線カメラやズームレンズの活用
  • 安全対策マニュアルの理解と順守

目視や点検ハンマーで行っていた作業を、ドローンで省力化・非接触化できることから、国土交通省も活用を後押ししています。特に点検業務は資格だけでなく、現場対応力と安全管理能力が強く求められます。

空撮・映像制作に必要な技術と機材

もっとも認知度が高い分野である「空撮」は、映像のクオリティだけでなく構図力・編集力・飛行センスが問われる分野です。

業務内容の例:

  • 不動産・観光地のプロモーション映像
  • 結婚式やイベントの記録映像
  • 映画・CM・YouTube動画などの撮影

必要なスキル・機材:

  • カメラ設定(シャッター速度・ISO・NDフィルター)の知識
  • シネマチックな飛行技術(チルト、パン、フェードなど)
  • 編集ソフト(Premiere Pro, Final Cut Proなど)のスキル

空撮業務は、他分野より表現力や演出力が重視される傾向にあり、単に操縦が上手なだけでなく、クリエイティブな視点が大きな武器になります。

よくある質問(FAQ)

ドローン操縦士に関心を持つ方から寄せられる、よくある質問とその回答をまとめました。制度の変化が多い分野だからこそ、正確で最新の情報を把握しておくことが大切です。

ドローン操縦者の年収はいくらですか?

年収は業種・地域・スキルによって幅がありますが、正社員で年収300万〜500万円程度が一般的です。フリーランスでは月数件の空撮案件でも月10万〜30万円の副収入が得られることもあり、実績と営業力次第で年収1,000万円超も可能です。

ドローンの資格は2025年に廃止される?

いいえ、廃止されるのは一部の民間資格の整理・統合が議論されているだけで、国家資格(二等無人航空機操縦士など)は制度として強化されつつあります。2025年以降もドローン操縦士には明確な資格制度が適用されます。

ドローン操縦士になるのは難しいですか?

まったくの未経験からでも、練習・講習を受ければ十分に目指せる職業です。法律知識や操縦技術が必要ですが、スクールや資格制度が整備されているため、計画的に学べば習得可能です。特に映像や建設など経験を活かせる分野なら、よりスムーズに活躍できます。

ドローンの免許は何日で取れる?

国家資格(二等免許)の場合、登録講習機関での講習+試験を含めて最短5〜7日程度で修了することが可能です。独学で受験する場合はもう少し時間がかかりますが、最短1〜2ヶ月の準備で取得を目指すこともできます。

独学でもドローン操縦士になれますか?

可能ですが、業務として飛行するには飛行許可の取得や法律対応が必要です。また、国家資格を独学で取得するのは難易度が高いため、最終的には登録講習機関の受講が推奨されます。趣味レベルなら独学でも十分ですが、仕事としての信頼性や保険対応を考えるとスクールが安全です。

高校生・大学生でもドローン操縦士になれますか?

はい、年齢制限はありません(16歳以上で国家資格も取得可能)。実際にドローンを活用した映像制作や農業支援に取り組む高校生・大学生も増えており、就職前にスキルと資格を身につけておくと大きなアドバンテージになります。

どんなドローンを買えば仕事に使えますか?

業務用には、以下のようなモデルが人気です:

  • DJI Mavic 3 Pro:高画質・長時間飛行・安定性が高く空撮向け
  • DJI Matriceシリーズ:測量・点検・赤外線などの産業向け機体
  • DJI Agrasシリーズ:農薬散布に特化した大型機体

案件の内容によって最適な機種は変わるため、まずは受けたい業務に合わせた選定が重要です。

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